お土産の骨董品の壺

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何年か前に父はめでたく定年を迎えました。

退職のお祝いとして父は母と一緒に海外旅行に出かけ、行き先はヨーロッパではなく、東南アジアでした。

なぜ父が旅行先を東南アジアを選んだのかは分かりませんが東南アジアの旅行から帰ってきた父も母も、旅行はとても楽しかったと言っていました。

父は旅行先である骨董品の壺を購入していたのです。

その壺は、何百年もの昔にベトナムのハノイ市郊外の村で作られた焼き物のだと父は私に言いました。

父の説明では、その壺は日本と東南アジアの貿易が盛んだった室町時代後期から、江戸初期にかけて、その焼き物は日本へも多く輸出されたものだから歴史的価値はあると私に説明してくれました。

ちなみに父は中学校で社会を教えていたので、私に比べて歴史にはとても詳しいです。

私は、理系大学に進学しているので、あまり歴史に詳しくありません。

私は大学入試時はセンター試験で地理を選択してので、日本史やっ世界史に関する知識は中学校で習った知識で止まっています。

そのため、私は父の話を黙って聞いているしかありませんでした。

ただ、父の購入してきた骨董品の壺は、磁器ではなく陶器であることは私でも分かります。

旅の思い出に外国で骨董品を購入してくるなんて、父らしいお土産だと思いました。

私は父からお土産としてもらった骨董品の壺は、早速持ち帰って私の家の玄関に飾りました。