ロマンが無いと骨董品とは言わない
骨董品と古道具はどう違うのでしょうか?
それは「ロマンがあるかどうか」だと思います。
不景気な世の中のせいか、人々がエコに目覚めたせいなのか・・・。
「リサイクルショップ」をよく見かける様になりました。
一見、同じ様な品物が、
・リサイクルショップ
・古道具屋
・骨董店
の店先に並ぶ、という光景を見かけますが、値段は随分と違う様に思います。
私はどこがどう違うのかわからず『何故、この値段なんですか?』と聞けば
『これは古いから、お安くなってるんですよ』と答えるのが古道具。
リサイクル系のお店で、
『これは古い物なので、ちょっと値段が張るんです』と答えるのが骨董店でしょう。
「古い」という事を、全く別な捉え方をしているワケですね。
しかし、どんな物だって、古くなれば品質自体は低下します。
使う事を考えたら、少しでも新しい方が良いはずです。
それなのに、「古いから高い」と言い切れる理由はどこにあるのでしょうか?
これは「ロマンを語れるか」に尽きると思います。
例えば「来歴」です。
『これは第二次世界大戦の激戦区で知られるラバウルで・・・』
などと言い出されれば、誰だって息を呑む事でしょう。
そして、『幾多の死線をくぐってきた、言わば歴史の生き証人なんですよ』
と言い切られると、古ぼけた軍刀でも水筒でもゲートルの切れ端でも、
『・・・これが!?』
と、その貴重さを認めざるを得なくなるワケです。
つまりは、物が内包する「ロマン」を認めてしまい、「古さの理由」に愛おしさを覚えてしまう、と言う事だと思います。
これがリサイクルショップだとアルバイトの店員が『なんかボロボロなんで、10円でいいっす!』
と笑顔で言ったりするワケで、およそロマンとは縁遠い世界です。
骨董品とは、やっぱり「ロマン」を買う物なのだと思います。